窯だより バックナンバー 2018年 1~4


昨年の ちょうど今頃、箱根温泉への行き掛けに 源頼朝の最初の挙兵地

「石橋山古戦場」に立ち寄ったことを書いたが、

そこには その合戦で奮戦討死した勇士”佐奈田与一”を祀る「佐奈田霊社」が残されていた。

そして今年も箱根の湯に浸かりに行くこととなって、

ならばと、今度もまた「石橋山の戦い」に因む古刹を訪ねることにした。

『吾妻鏡』によると、源頼朝の舅・北条時政の嫡男・北条宗時が やはり石橋山で戦死、

時政は息子の慰霊のために、慶派の仏師・実慶に”阿弥陀三尊像”を造像させて

函南の地に墳墓堂を築き納めたと記されている。

そののち800年以上の時は流れたが、仏像たちは里人の

厚い信仰心に守られ続け 今に至ったのである。

現在は国指定重要文化財の指定を受け、「かんなみ仏の里美術館」に鎮座する。

平成24年開館のスタイリッシュな館内には、平安時代の「薬師如来像」など

この地に伝わった24体の仏像群が展示され、

鑑賞し、学ぶことができる施設として多くの来館者をむかえている。

2018.4.17


なんと我が家の門前に アナグマ出現‼

此処は山の生活だから 日頃いろんな動物を見かけはしますが、穴熊は初のお目見えです。

フェイスブックには その雨水排溝から登場するシーンを、

まず外を窺う様子から のっそりと溝蓋に上がるまでの写真をUPしてあります。

しかし、のんびりというか、ふてぶてしいというか、

大概の野生動物は人に気付くと ダッシュで遠ざかるものなのに、

このアナグマ君ときたら 何度も目を合わせながら 実に悠々たる態度。

僕がバッグからスマホを取り出して、慣れないカメラ操作にモタモタしようが平気の平左。

なんか、小馬鹿にされてるようで癪にさわります。

まぁ、考えてみれば アナグマの古名は”貉”ムジナ、

なるほど なるほど、そうか、こいつは ちょっと 怪しい獣だったわけである。

2018.4.3


超遅れ馳せながら、ついにスマホデビューと相成りました。

ガラケーの方がコンパクトだし、通話とメールが出来れば それで十分の僕でしたが、

海外での使用機能終了とか色々とデメリットの要素が拡大、とうとう時代の波に呑まれた次第です。

さて、つきましてはですね、

そんなら 家族シェアパックがお得でっせぇ、というドコモショップのお兄さんの口車にすっかり乗っかって、

au携帯 から docomoスマホ へと乗り換えましたので、

モバイル メールアドレスの@うしろの ezweb docomo に変わりました。

交信している皆様、どうぞ変更のほど よろしくお願い致しますです。

今回は、まぁ、そういったお知らせでした。

2018.3.15


 

         

東京渋谷の「戸栗美術館」で開催中の 『古伊万里にみる うわぐすり展』 が とても良かった。

有田焼として広く親しまれる伊万里には磁器の全てがあると言って過言ではないが、

その当初から大きく発展した時期において使用された主な釉薬は、たった4種類であったそうだ。

それらを単色で、また組み合わせてと、様々なやきものを幅広い装飾表現で生み出した。

今展は伊万里を不動の窯業地へ押し上げた四天王釉、透明釉・青磁釉・瑠璃釉・銹釉を釉薬ごとに分け、

初期から時系列に沿って、そして地域内の窯による変化なども分かり易く構成されている。

「 へぇ~、そうだったのかぁ 」と 何度も頷かされる展覧会なのだ。

ところで 展示室まえのガラスケースに 「テストピース作成に挑戦しました」 というコーナーがあって、

”展示担当学芸員がテストピース作成を行いました” と 4種8パターンの豆皿が並ぶ。

じつは これ、妻の教室工房がお手伝いさせていただいたもので、

昔の素材に とことん拘り、陶石と天然の柞灰を使って釉薬を作成。

会場内の作品と見比べて、その出来栄えに驚かされた。

会期は 3月21日(水・祝)まで、ぜひぜひ お薦めの展覧会である。

2018.3.2


僕の住む所から もうひとつ奥の村に年2、3度の用があって、

その時は ちょっと長い道のりを徒歩で行くのを常としている。

それは、道端で身を寄せて佇む 馬頭観音に会うため。

馬頭観音は頭上に馬頭をいただいて忿怒の相をなした姿が定型とされるけど、

この観世音たちは なにか悲しげに俯いて、

3体は大きさから家族を思わせながら、どこか寂しそうなのが気にかかる。

横に刻まれた奉献年はみな同じで、天明六午年九月吉日とある。

日本史年表を開くと西暦では1786年、

江戸後期初頭で 老中・田沼意次が権勢をふるい、民が悪政に苦しんだ時期だ。

奉献年の前後には天明飢饉があり百姓一揆が続発、江戸打ちこわしも起こり、

天明の大火は江戸、京都で同じ年にあって、

日本国中が暗雲の下にあった時代のようである。

この馬頭観音3像の奉献の因由には、如何なる出来事があったのだろうか。

ただ、いつもこの観音像たちの憂え顔を見るたびに、

「まぁ 生きていれば いろいろあるものさ、いいことも わるいことも、あんまり気になされないことですよ」

と 言われたような、そんな心持ちになるのである。

2018.2.15


克童窯工房に泥棒が入った!

と書くと、あぁ 又、TVドラマの撮影があったんだなと思うかもしれないが、

今回は ホンマモンの盗賊である。

写真は ロクロ前面のガラス戸を外側から撮ったもので、

見事に割られて取り外され、ここから侵入したのだ。

まぁ、工房に金品を置いてないから被害は無かったに等しいが、

ガラス修理と工房内の掃除片付けには閉口した。

しかし、110番通報するや まずパトカーで警察官が駆け付け、

後を追って刑事、そして鑑識が来て指紋や足形を取る流れは、

ドラマロケと同様だったけど やっぱし緊迫感が違うもんですね。

刑事さんによると 犯人はかなり年輩の小柄な、つまり 爺さんの空き巣狙いだろうと。

このタイプは 現金類だけを求めて、足の付きやすいものには一切 手を出さない流儀だそうだ。

確かに、戸棚や引出しは ことごとく開けられた痕跡があって、

通信用に置いてあった切手が盗られていた。

そんなことで、陶作品は無事だったので、それだけは助かったわけである。

2018.2.3


とってもコンパクトなマイコン付き電気窯を頂いちゃいました。

ご飯を炊く釜ではありません、炉内寸法20㎝立方のれっきとした陶芸用電気窯です。

20年ほど前のものですが、なんと未使用!

電源は100Vだから普通の家庭用コンセントでOK!

マイコンは、焼成プログラム入力が自由自在!

すっげぇ~!!うわぁ~!便利ぃ、便利ぃ~!

さっそく、克童窯の定番である”灰釉縞文”でテストです。

焼成開始予約から終了まで、温度上昇ラインを6ステップに分けて、

それぞれの到達温度と時間を入力して、と・・・。 よしッ 運転スイッチON。

そして翌日に窯出ししてみると、おぉ~、結果は上々、もうバッチリでした。

昨年末にお知らせしたデジタル顕微鏡に合わせて、

同一条件下でのテスト比較が可能となったのでございます。

2018.1.22


寒中お見舞い申し上げます

厳冬のみぎり如何お過ごしでしょうか。

ここ丹沢の散歩道も霜柱の高さには驚かされますが、

それでも木の間から見る相模湾の上空には、

春を予感させる暖かなお日様が微笑んでいます。

梅花の便りまでもう少しの辛抱です、

時節柄くれぐれもご自愛ください。

2018.1.10



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