窯だより バックナンバー 2006年 1〜4月


仕事場の CDラジカセ が 壊れ、 今度は レコードも 聞けるのを 通販で 買った。

家の 奥深く 埋もれていた LP を 引っぱり出し、 まず 針 を おとしたのは マイルス・デイビス の 「 BITCHES BREW 」。

1969年 当時 の ジャズ・シーン を 、大きく 変えた アルバム だった。

エレクトリック を 多用した に 拘わらず、アフリカ の 民族音楽 を おもわせる その サウンド は、

音楽界 全般 に 影響を 及ぼし、その年 の スイング・ジャーナル誌 の ゴールド・デイスク にも 選ばれたのだった。

今 聞いても、 とにかく カッコイイ ぜ。

 「 ビッチエズ・ブリュー 」 は 「 あばずれ女ども は 陰謀を たくらむ 」 と いう意味。  ん〜! 

ちなみに 僕が 1番 好きなのは、 5曲目 MILES RUNS THE VOODOO DOWN  (マイルスが ブードウーを けなす) だ。

クーッ !!  最高っ !!

2006.4.28.

 


紫 を 抱く 光沢 ある 紅は

花心 に 向かって 濃さ を 増し

ついには 黒味を 帯びて 滑り込む

奥 は  見えない

なにか が 棲む  闇 の 気配

12年 待った  黒侘助 が 咲いた

2006.4.13


展覧会 図録 の 校正に 、 御茶ノ水 の 出版社へ 行った。

作業 する 2階 の 部屋は 道路側 が 全面 ガラス張り で、 道を 挟んで 湯島聖堂 が 見える。

うわぁ 、 桜 が きれいだぁ 。

今年は 図録 制作 が 1週間 遅く 、いつもの 年だと 4分 か 5分咲き なのだ。

「 中島 先生ぇ 、 済んだら 神田明神 が すぐ近く ですよぉ 。  いっぱい あって、 きっと 満開 ですし 」

すっかり のせられ 、いつも 以上に? がんばって 、手早く 校了。  解放 されるや お花見 と 洒落た。

満開 の下 境内 を 歩くと、 銭形平次 の 碑 が あった。 横には 八五郎 ( ガラッ八 ) のも。

へ〜? ホント に いたんだっけ?  説明板 を 読んだら、 小説の中で 平次 が 

近くの 長屋 に 住んで いた ことに ちなみ、 日本作家クラブ が 建てた もの だった。

お花見 に オマケ が 付いた ようで、 楽しかった。

2006.3.30

          


地元 秦野 で 出た、「人面付 香炉形 土器」 が  展示されると いうので、散歩がてら 行ってみた。

そこは 市立の古墳展示館で、7世紀の 須恵器 などが 常設だ。 今回は 縄文時代 晩期 の 特別展 で ある。

会場を 見て廻ると 縄文も晩期に  なると、浅鉢や 注器などが 多く、形体も シンプルでバランスも いい。

模様 装飾 は 中期までの、 儀礼 呪術 的 雰囲気が 薄れ 「暮らし」を 感じさせながら プリミテイブ ハイセンス。

んー、 どんな 人 が 造って いたんだろう。

人間 誰しも 突然 現れることは ない、 日本人 すべて 皆 先祖に 縄文人が いる。

はたして、 僕の 先祖は 土をこねたり 焼いたり したのかなあ。

2006.3.12


帝国ホテルの 東京三田倶楽部 で、慶応義塾大学・仏教青年会OBの 皆さんに、陶磁 の講演 をしました。

昨秋 個展の時 お誘いを受け、つい 気楽に 引き受けて しまったのです。

そのあと この会は 115年の 歴史を持ち、参加者は ご高齢で 人生経験も 知識も 豊富な方々と 知り、

うわっ、と ひるみ ましたが あとの まつり。    いや、 緊張しました。  でも ・ ・

施釉陶 でも  3千年以上、 土器から すれば 1万年以上 の 陶磁の大河 の 中、

そこに 漂う ”私の やきもの”  を 話していると、

 この 流れ に はじめて 足を 浸けたときの、 あの 感覚が  蘇って きました。

土 や 火 の 不思議、 技 への 驚き、 魅了する 釉肌。

うすれて いた 大切 な もの を、 思い出せた 気がします。

2006.2.22


椿の蕾み が、今、咲こう と している。 もう 少し ・ ・、 いや まだ 固い。

品種は 黒侘助。 別名・永楽、黒紅色 の 筒咲きで 中輪。

写真では 凄味のある 美しさだが、 実際に 見たことは ない。

12年前に 小さな 苗を 植えて、 これが 咲けば 初咲き なので ある。

平成6年 の 今頃、伊豆の椿まつり で 50cm くらいの 苗を 6本 買って帰り、登り窯 の 横に植えた。

3年後、天倫寺月光 (紅の極小輪)と、初嵐 (白の椀咲き)は、

かわいそうに 花を見ることなく  枯らしてしまったが、

平成11年に 白侘助 (白小輪の一重)、13年には 数寄屋 (極淡桃の小輪筒)と

絞初嵐 (白地に紅の吹掛絞)が 咲き始め、 毎年 楽しませて くれている。

そう、それから さらに 5年。 高さ2mに なった 黒侘助 が 初めて付けた 蕾みは、たったの 2個だ。

いや いや、1輪 で 結構。 遅咲き も 良し。

こうして 今、 花 と 咲こう と している。

そうだ、 僕の どうにも うまく いかない あの 仕事だって、 いつ の 日か ・ ・ 。

2006.2.9


先週は インフルエンザ で ダウン した。  39度5分。

雪の 21日、東洋陶磁学会 の 研究会に 行って その時 うつったらしい。

東近美の 講堂は 暖かったのだが、雪で ビチャビチャの 神保町を うろついた のが いけなかったか。

4年ぶりの 医者、 なんか 先生は うれしそうだった。

今は 評判の 薬 タミフル が あるので、 熱 は 1日だけで 下がったのだが、

しばらく の あいだ,  人との 接触 は 避け 薬を 続けなければ いけないので、読書を して 過した。

もう すっかり よくなったけど、 まだ なんとなく 頭が 重い。

これは  薬 の せい ?  本 の せい ?

チエーホフ 「黒衣の僧」 「六号室」、 ドストエフスキー 「地下室の手記」、 志賀直哉 「児を盗む話」、・ ・ ・

こりゃ 頭 も おかしく なるわな。

あ、 画像は 学会風景 で、 ジュネーブ の アリアナ美術館長の 講演です。

2006.1.30.


ロクロ場 の 暖房は、ダルマ ストーブ で ある。

焚くのは まわりの 杉林の 間伐材、 チェーンソーで 切って 斧 で 割る。

1日 掛けて つくる マキで、 2週間ちかく 焚ける。

ま、たいへんでは あるが、 とにかく 暖かいし 灰は 釉 になるのだ。

だいいち この冬の ように 灯油が 高価な年は、ビンボー陶工 には 有りがたい。

20年 使ってきて かなり の おいぼれストーブ、

壊れた時 が 心配に なって、町の 荒物屋 に 電話した。

「 まだ 製造して ますよー 」 の ひとこえ に、 心 まで あたたまった。

2006・1・17


写真家 藤森 武 さん の 新春記念パーテイ に おじゃま しました。

玉川 高島屋 で 開催中 (1/17まで) の 写真展 「五輪の 心象」−剣豪 宮本武蔵 の 心を撮る -  と、

本 「 GORIN 」-サムライたちへ の、 出版を 祝う 集いです。

仏像、茶室、 器、人、など の 写真 で 有名な 藤森さん ですが、

今回は 自然風景 の 作品が 多いのに おどろき ました。

五輪書 の 地 ・ 水 ・ 火 ・ 風 ・ 空 に 分けて の 40点 の 展示です。

作品の前に 立つと 武蔵 の”目” を 感じるようで、気迫が じわり と 伝わって きます。

それに しても、藤森さんは 歳 が ひとまわり も 上なのに、とにかく 精力的で 昨年は 写真展を 5回 開催。

僕の 松屋 の個展に 来てくださった時も、すぐ その足で 山口県・萩、そして 福岡県・九州国立博物館 の 撮影 へ。

年の 始め に こう云う 人 に 会うと、 よっし オレも! と 元気が でます。

奥さま、ごちそうさま でした。 サーモンの パイ、とっても 美味しかったです。

2006.1.7 


明けまして おめでとう ございます

本年も どうぞ よろしく おねがい いたします

2006 元旦


窯だより バックナンバー

2006年  5〜8月

2005年 9〜12月


窯だより に 戻る