窯だより バックナンバー 2006年 5〜8月


           

暑かった 夏も 、 終わろうと しています。

この 夏は 東京・杉並 に 9月 開校する 、「 陶美アカデミー 」Link の 準備で 、

 あっ と いう 間 に 過ぎ去った 感じです。

妻 の 夢 が つまった 、 小さな 教室 、

その 作陶空間 から 生み出されるものは 正に 未知数 。

共に 歩む 方々 を お待ちして います 。

土 と 火 の 不思議 な 世界 に ご案内 いたします 。

2006.8.28


台風 よ 来るな 、

あさって だけは 来るな 、

遠い街から 素敵な 二人 、 珈琲豆を 持って 山に来るから 。

生豆 を 煎って 丹沢に 香ばしい かおりを 漂わせるのだ 。

アウト ドア 焙煎 かぁ 、 僕は 焙煎 さえ 初めてだ 。

そして 、 焼きたての 豆を 35年 使っている SPONG社の ミルで 、

ガ リ ゴ リ  ガ リ ゴ リ  ガ リ ゴ リ

だから たのむから  台風 よ あさっては 来ちゃ いけない 。

2006.8.15


夏、

子供のころ 虫取り網を 片手に 走りまわったものだ。

川 が近い 神社、 その ほの暗い 空間は

蝉の声 が 閉じ込められたように 充満していた。

セミ は 皆 木の 高いところにいて

役に立たない 網 は すずしい 風だけを 抱いている。

くやしそうに しゃがんで 見上げる 僕は

きっと 今も あの 場所 に 居るに ちがいない、

夏。

2006.7.31


今は 鬼籍に在る 人間国宝 の 清水卯一 の 灰皿を 手に入れた。

若い 30歳ころの 作で、共箱 という 珍品だ。 

さて、  どう しよう。

火屋を作って 香炉に しようか、 塗り蓋をのせて 小水指も 洒落ている。

いや、 待て、 ここは、 やっぱり 灰皿 だ。

誰か来て、 「 あの、煙草 吸っていいですか? 」 なんて 時、

「 あ、どうぞ 」 と この箱 を 取り出すのだ。

さあ、その煙草、 至福の いっぷく となるか、 緊張の いっぷく となるか ?

あー、 考えた だけで 楽しみ だなぁ。

2006.7.16


        

個展御礼  申し上げます。

紫陽花 の 鎌倉 、

いつもより ちょっと 賑わう いにしえの街に 、

お忙しい 中を ありがとう ございました。

御覧 いただく ことが 次への 作陶 の 糧。

これから も どうぞ 宜しく おねがい いたします。

2006.7.4.


              

ちょっと 寄り道してから 個展 会場へ。

明月院 の 紫陽花 が 見頃だ。

最近は 紫陽花も 種類が 増え、洋種が 多いそうだが、

明月院では その ほとんどが 日本古来の 水色 の ものだ。

2千本 ある と云う その 水色の 海を 歩いた。

ふと、 秘色青磁 と云う 言葉を 思う。

明月院 は、 今、  秘色 の 世界 だ。

2006.6.25.


           

What's  new ?      やぁ、 どうだい?

2年ぶり だね 、 古都 かまくら。

アジサイ が きれい だろうね。

もう 、 きっと 。 イワタバコ は まだ あるかな ?

先週 焚いた窯 、

けっこう よくて 。  ん 、 かなり 。

それを 並べる からさ 。

21日 から  よろしくね 。

2006.6.15

         


渋谷 松涛美術館 の 「 骨董 誕生 」展 (〜7/9)を、一般公開前に 特別招待で 見せていただいた。

美術館 という場で 「 骨董 」を 銘打つ 展覧会は 初めてだそうだ。

かねてより、古美術 と 骨董 とは、微妙なところで 棲み分けてきた。

この企画は、いままで 美術館が 手を出さずにいたところに  斬り込んだ、挑戦でもある。

古物趣味 の歴史は 古い。骨董 という言葉も 古くから使われてきた。 

しかし、”味もの”としての ”骨董の確立”を、昭和十年代 と 提案した この展示は 面白い。

初めて 一般公開された 青山二郎 旧蔵の 李朝大壷があったり、

骨董最前線 としての 使い込まれた 雑巾(ゾーキン)があったり。

我が国 における 器物鑑賞 の美学 がみえるようだった。

2006.5.29.


僕の 工房は 登山道に 面している。

連休に 山から下りてくる 親子の 話し声が 聞こえた。

声からして 幼稚園くらいの 男の子と お父さんだ。 うちの前まで 来た時、

「 あっ、ねえ! お父さん! すごいよ。 この家 穴っだらけだよ。 ねえ!なんで? 穴だらけだよお ?」

お父さんは 中の 人の気配に、足早に 通りすぎる。

たぶん ”穴だらけ 穴だらけ” と いうのが、 気まずかったのだ。

きっと そのあと、バス乗り場への 道々、その子に 説明して あげたと 思うけど、

そうか、、、 今、街の暮らしに 「 フ シ 穴 」 を 見ることは、 あまり ない。

2006.5.6.


窯だより バックナンバー

2006年 9〜12 月 1〜4 月


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