窯だより バックナンバー 2007年 1〜4月


        

「 第19回・日本陶芸展 」 が 大丸ミュージアムで スタート。

初日 12日 桂宮宜仁親王殿下を お迎えしての レセプションが あり、全国から出品作家が 集まった。

ビエンナーレの、1年おきの この時にしか 会えない人たちも多い。

主義主張を 異にして制作する皆が、 「陶」という 表現法を絆に 集結する 面白さは ここでしか あじわえない。

しかし 公募展の中でも 難関中の難関 といわれる 日本陶芸展、10年ぶりに会えた なんてのは ザラだ。

今回も 73歳で 初入選 という人がいた。  やきもの に とりつかれた人々。

そう、 辛くても 苦しくても、  僕らは みんな ・ ・ ・

気絶 するほど 陶 が 好き。

2007.4.14


さ く ら。 と、くれば お花見です。  さて、みなさんは どう  さ く ら を 見ますか?

さ く ら。  漢字では 「櫻」と 書きます、その「嬰」は 「とりまく、まとう」という意味だそうで、

古代・中国の人は、サクラの 木に花が咲き誇る 全体像を見て、「櫻」 という 文字を 創ったのです。

ところが 日本、 漢字 が 伝わる前から 「サクラ」という 言葉 は ありました。

では その 和音 による 呼び名は、どのように できたのでしょう。

じつは 「サク」は 「裂く、割く」で、いずれも 「二つ に 分かれる」 意味、「ラ」 は 状態を あらわします。

そう、つまり 古代の日本人は、さくら を 見るとき  木 全体では なく 、

 ひとひら の 花びらの、 それも その先端 を 見つめていたようです。

酒盃 に 散り入る ひとひらの サクラ を 味わい、一杯。 仰ぎ見る 満開の 櫻 で 又 一杯。

アー、 僕の 花見 は 日中交流型 だったのか。

2007.3.31

この サクラ の話、「千 利休・無言の前衛」(赤瀬川 原平 著・岩波新書)の「ディテールへの愛」に あります。面白い本です。ぜひ一読を。


日曜日、茅ヶ崎へ 個展の追加制作を 納めに行き、そのついでに 開高 健 記念館に寄った。

亡くなるまでの15年を 暮らした家で、海岸から 4、5分のところにある。

原稿や愛用の品々が 展示されていたが、やはり 執筆していた往時のままの 書斎がよかった。

工房やアトリエも そうだが、仕事場と云うものは その作家が よく表れている気がする。

何を 大切に思っていたか、何を 身近に置いたか・・・。

 のんびり したら、 雨あがりの砂浜を 歩きたくなり 海に向かった。

湘南134号線 に ぶつかる 信号の所から、烏帽子岩 が見える。

海岸への 出入りのため、防砂林が そこだけ切りとられている。

その枠の中で、烏帽子岩は 雲の切れ間から射す 陽を受け、いつもより 大きく見えた。

2007.3.12


2月の 後半は、8日かけて 韓国の南の地方を 歩いた。

全羅南道、 高麗青磁 の 古窯址だ。

サンイミョンの 初期青磁と緑青磁 から、チリャンミョンで 最近 発掘調査された 窯址 、

そして 高麗青磁 絶頂期の テグミョンの 窯址。 多くを学べた 旅 だった。

でも 楽しかったのが、 もう ひとつ。

世の お父さん方には、ちょっと 羨ましがられそうだが、

今回は、大学生の娘 との 二人旅。

少しだけ ハングルを話せる 彼女は、じつに たのもしい 道ずれだった。

行きたいところに たどり着き、 食べたいものを 注文し 食べられる。

いつも の ひとり旅じゃ、これが むずかしいのだ。

2007.3.1


ニューヨーク の ”アジア アート フェア ”に、作品が 展示されるそうで、

案内状 と 入場券 が届いた。(詳細は 展示会 のページ に)

と、言っても、 それじゃぁ って 距離でもないので、見には行けない。

そう、今までも 幾度となく うちの器は 海を渡って行った。

僕の 行ったこともない 国も 多い。

目の色 髪の色 の ちがう、 はるか遠方 の地 で、

ちゃんと 人さま の お役に たっているかなぁ 、なんて 思うこともある。

窯屋 では 昔から 製品を売ることを、 「嫁に出す」 と いうのも うなずける。

愛されていれば よいのだが ・ ・ ・。

2007.2.10


4日、”茅ヶ崎・俊” での 「中島克童・陶の世界」展 が、終了 致しました。

会場 近くの 松籟庵 の梅も、初日は 1、2輪 でしたが、

終了日には 白梅が 満開で、茶庭の 外まで その香りが あふれる程 でした。

例年より 1週間 早いそうで、暖冬の 恩恵を

遠方から お越しくださった 皆様にも、楽しんでいただけました。

在廊日が 少なく、失礼を いたしましたが、

盛会で ありましたこと、心より 御礼 申しあげます。

克童 拝

2007.2.10


かつて 開高 健 が、1本50万以上する 超高級ワイン、ロマネ・コンティ を 持ち込み、

一皿250円の 羊肉を つまみに 開けた、と いう 安酒場で 飲んだ。

店は いま個展中の 茅ヶ崎・「俊」 の すぐ近く、「ジンギスカン」。

8年前 ここでの 発表を始めたときから、地元の人にも入りにくいと聞く  店構えと、

排気ファン から 道路に吹き出す、肉を焼く 煙 と 美味そうな匂い が ずっと気になっていた。

きのう 個展に来てくれた 近代美術館の研究員から、その 開高 健 の逸話を知り、

その人も 入ったことが 無いのだ と。  ヨシッ! 行こうゼッ!!

初めて 開ける ガラス戸 に 身体が 固くなる気がした。

しかし、 ・・・ お〜 美味い。 安い。 そして 外見とは うらはらの 居心地の良さ。

これじゃぁ 開高 健 が 通ったのも 当然だ。

これからは、ここだ。 と 思った。

2007.1.28


         

20日(土)から 茅ヶ崎・ クラフトショップ俊 で 個展 「中島克童・陶の世界」が 始まります。

ここで お気付きの方は 少ないかと 思いますが、前回までは ギャラリースペース俊 (2F)。

今年から 俊 は、1階  だけでの 企画となりました。

ガラス面が 多く  外を歩くひとにも 会場内が見える、モダンなスペースを 全面 使わせて いただきます。

新生 "俊" の こけらおとし の大役に、ちょっと 緊張しているのですが。

ま、お初、と云うことは、 良いも わるいも 比較するものが ないわけだから、 そう思えば・・・、

うそ、 うそ、 気合い 入ってますから、 ホント!   皆さん ぜひ お運びください。

おとなり 茅ヶ崎市 美術館 の 「 萬 鐵五郎  展 」 も、そうとう 力 を 入れていて

館長 が 胸を張って いるそうなので、そちらも 合わせて。  ぜひ、 潮の香り 茅ヶ崎 へ 。

2007.1.15.


 

明けまして おめでとう ございます

今年も どうぞ よろしく おねがいいたします

平成19年  元旦


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